種類物売買において目的物の特定後に売主の過失によって目的物が滅失した。
この場合、売主は直ちに損害賠償義務を負う。

というのが、どうもこの予備校解説の前提みたいなんだけど、マジで?
いや、教科書的な議論をそのまま敷衍すればそうかもしれないけど、別の物を渡したって良いじゃん。所詮は代替物なんだし。
変更権を使えないかなぁ。


昨日の続き。家財道具の持ち出しについてだけ「とりあえず」述べてたのは、家に各論の本が無いからちょっと自身が無かったため。
じゃあ今は自信があるのかっていうとそういうわけでも無いんだけども。


鍵を勝手に交換して借り主が部屋に入れないようにする行為は、建造物損壊罪(260条)にあたるんじゃないか、と。
「自己の物であっても、…賃貸したものを損壊…したとき」(262条)には同罪は成立するから、貸主が自分の不動産を損壊したって成立する。
問題は鍵の交換が「損壊した」といえるかどうか。でも、器物損壊と同様に「損壊」を「物の効用を失わしめる行為」(例えば飲食店の食器に放尿)であると考えた場合、鍵の交換は、賃借人にとっては、居室としての効用が害されている。難点としては、交換された鍵を用いれば正常に使用可能なので効用は失われていないとも言いうる点だけども、毀棄罪が個人の財産権を保護するものであり、262条が賃借権を保護していることからすれば、賃借人にとって効用が失われれば「損壊」といえないだろうか。
というわけで、この場合は「5年以下の懲役」。


借り主が拒んだのに深夜や早朝に督促を繰り返す行為は、恐喝罪ないし恐喝未遂罪(249条1項、250条)に該当しないか。
権利行使であっても、「その方法が社会通念上一般に認容すべきものと認められる程度…を逸脱するときは違法となり、恐喝罪が成立する」(最判昭30・10・14)。
そうすると、上記行為も恐喝罪の実行行為に該当し、「10年以下の懲役」になりそうだ。


というわけで、記事で紹介されていた「追い出し規制法案」が違法化すると称する行為は、現行法下でも既に刑事責任を問いうるもので、しかもいずれも罰則の上限は5年ないし10年であるから、法案の2年以下の懲役刑よりも重い。
そうすると、悪徳賃貸人等は、この立法によって却って有利になる、といえるかもしれない。
立法によって取締に積極的になるという効果はあるかもしれないが、それなら法相が警察に内示で取締を奨励すれば良いだけであって、立法の手間も時間も必要ない。
とすれば、この立法に意味があるとすれば、構成要件該当性をより認めやすくしているという事なんだろう。


ところで自宅用刑法として、新司法試験条文・判例本〈7〉刑事系刑法〈平成21年版〉を買ってみた。こういう本を買ったのは初めてだけど、便利だなぁ…。
学者の基本書とか、予備校の参考書とかも考えたんだけども、このタイミングで新しいちゃんとした本を買っても効果が薄かろうという点と、後にがっこを引き払った後に同種の物が重複するよりは良かろうと、そういう考え。


で、そのついでに書店に行ったら偶然にもオクターヴ 4 (アフタヌーンKC)の札幌入荷日だったので、これも買ってきた。
いやぁ、たまたま昨日1〜3巻を読み返したところだったんだよねー。
で、4巻。面白い。真利さんイイヤツ!…と思ったけど、節子さんが彼女作ったのは初めてじゃないんだから、慣れてるのか。真利さんに限らず節子さんの周りの人々は。
ところで「オクターブ」の綴りが"octave"で、アレ?と思ったら、そうか、octava(略記時8va)は英語じゃないんだ。


あと、書店行ったついでに10分くらいEconomistを立ち読みしてみた。
んー。あれだね。見出しの付け方が頭悪そうなのは、アメリカ人の特徴というより英語圏の特徴だったんだね。
記事の内容が分からないような見出しを付けるのが英語圏の修辞法らしい。見出しに修辞以上の価値が無くて馬鹿なんじゃないかとも思うけど(例えば答案で「3. 賃借人の憂鬱」とか書かれてたら死ねって思うじゃん)、エウメネスなら「文化が違ーう」って言うんだろうな。
で、そうすると読む価値のある記事か否かの判別に時間がかかる(しかも都合の悪いことに、英語圏では記事本体の冒頭部も珍文であることが多い)。
これはちょっと無理だわ〜。
あと値段も高いし。1000円超えてた。TIMEだったら教職員&学生は200円で定期購読出来るらしいけれども。
英語文化圏の文章はどうやら生理的に受け付けないみたいだけど、ドイツはどうなんだろうなぁ。


でまぁ、週刊新聞はとりあえず見送ろいうかというタイミングで、こんな話が。
日本経済新聞、電子版を3月創刊。購読料は月額1000円から -INTERNET Watch Watch
4000円/月は、紙のより高いじゃん…。
でも、オフラインでiPadで読めるんなら、紙の新聞をやめて乗り換えても良いかもと思った。
Flashベース、と書いてあるから、今後の展開は微妙ではある。New York TimesのTimes ReaderはAdobeAIRベースだったのでiPhoneアプリも容易に出せたらしい。FlashiPhoneアプリ書き出し機能があるんだっけ?
オンラインが必要ということであれば、イーモバのPocket Wi-Fiのようなソリューションが欲しいなぁと思ったら、ちょうど良いタイミングでこんな発表も。
auのインターネット接続サービス「au one net」における「WiMAXコース」の新設について〈別紙〉 | 2010年 | KDDI株式会社
KDDIグループが、下り40Mbpsの高速無線通信サービスであるUQ WiMAXを組み込んだサービスを始めるみたいだ。auと領収書をまとめれば月3980円。今の私の自宅環境(マンション光フレッツとプロバイダ)よりも安い。ちょっと速度落ちるかもだけど、現在10BASE-Tで繋いでるからそんな変わるまい。NEC AtermWM3300R PA-WM3300R(AT)を使えば、Pocket WiFiと概ね同じようなことが、より安価に、より(理論上)高速回線でできる。
なので、次に一人暮らしするときには有線回線引かないで、こういうのにする気がする。


にしてもふと思ったことには、電子新聞もWiMAXも、独り身にとって便利な道具であって、複数人で共有しようと思えばそうは行かないような気がする。
子供がいたら紙の新聞取って家に置いとくし、通信回線を自分が持ち出しちゃったら家で他の人が使えない。
つまりあれだ。世界は独り身にこそ住みやすくなっている!俺ってば時代の最先端!