通えば通うほど社会不適合者になっていく「白痴過程」ってのはどうだろうか。


貸与制の件、前にtunaせんせがあれは違憲だとおっしゃってた。その時は内心「えーまじでー?」って思ってたけど、考えてみたら確かに憲法問題の気がしないでもない。また、国民は見返り無しに金を出そうとしないことが朝日の社説からも明らかなわけで、それは政治闘争の無力を意味するのであり、憲法に寄らざるを得ないということでもある。とか思った。
で、その時のお話は、たしか、職務専念義務のあることが違憲だという話だったように思う。
確かに、一定期間の無収入を強いるのは職業選択の自由(§22①)あるいは勤労の権利(§27①)*1を奪うものだ。
職務専念義務を課してまで修習を行わせるのは、それによって法曹の質を確保し以て国民の利益とするためであるから、上記の制約は公共の福祉に基づく制約といえるだろう。基本的には財産権侵害なので、違憲審査基準は緩やかになる。
ところで私が職務専念義務の点を捉えて違憲という構成を聞いて「えーまじでー?」と思ったのは、その構成だと職務専念義務の点だけが違憲無効となって、バイトを認めれば金を出さなくても良いということになりそうな気がしたためということもある。で、この印象は、上記の議論のまま進むと仮に違憲でも上記制約の点だけが無効であって、結局は救済につながらないという結果になりかねないという話につながる。「バイトを認められても事実上、無理である」という構成を主張しても、じゃバイトが出来るようなカリキュラムに変更するかということで、どうにも筋が悪い気がする。
修習それ自体に給費を支払わせる構成を考えなければならない。
案その1。職務専念義務は勤労の権利という財産上の権利に対する特別の犠牲であるから、これを奪うには「正当な補償」が必要だ(§29③から勿論解釈)。でもって貸与金返還義務と損失補償請求権の相殺の主張を内容とする、貸与金返還義務不存在確認訴訟を提起する。
案その2。現行法が違憲なのは、貸与制に「改正する法律」が違憲であったためである。そうすると「改正する法律」が違憲無効となる結果、改正前の制度が自動的に復活する。これを前提に貸与金の不当利得返還債務と給与請求権の相殺を以下略。
うーん。問題意識をどうやって憲法の俎上に乗せるかってのが、憲法訴訟の難しさでもあり面白さでもあるんだろうなぁと思う。論文試験ではそういう本案前の主張の部分は問われないのだけども。

99年に東京都の無職打田篤司さん=当時(31)=が殺害された殺人事件について、鈴木信行裁判長は「犯行は組織的、計画的で態様も残虐」と指摘。「無期懲役を選択するが、自首が事件の全容解明に貢献したため、減軽して有期刑の上限とした」と説明した。

http://www.kahoku.co.jp/news/2010/08/20100828t13016.htm

これはつまり自首による任意的減軽(刑法§42①)が認められたってわけですな。
刑罰の選択がまずあって、その後に減刑してるのが、ほえぇーって思った。この辺はよく解らないや。
刑の減軽は法律上の減軽の後に酌量減軽(§72二,四)。で、酌量減軽に対する私のイメージとして、まず法定刑を減軽して、その中でさらに情状に応じて刑罰を選択する、ような気がしてた。つまり、刑罰の選択よりも法定刑の減軽が先というイメージ。そうすると、酌量減軽より先に行われる自首減軽で刑罰を選択できないから、ここでも法定刑の減軽が先になりそうな気がしてた。
つまり、私のイメージでは、「殺人だから死刑、無期又は五年以上の懲役」→「自首減軽により無期又は二年六月以上の懲役」→「本件では残虐・計画的だけど自首・自白により解明に協力し反省してるから〇〇年」という流れ。
でもこれだと、最初に「本件は無期な気がするぜ!」→「法律上の減軽があったけど上限は無期だ、行ける!」→「判決、被告人を無期懲役に処するぅ!」っていう刑の選択が起こりうる。これだと、法律上の減軽が認められたのに実質的に刑が軽くなって無いに等しい。
そうすると、まず自首を考慮しない刑の選択を行って、その上で自首による減軽を行うのは合理的な気がしてきた。
ただ、酌量減軽の場合、刑の選択の時点で情状は考慮されてるはずで、なんていうか、酌量減軽って、情状を考慮してみたら法定刑の下限が高すぎると感じられたので、法定刑を下げようぜって感じで考えてるんじゃないかと思ったりして、「情状酌量を無視した刑の選択の後に酌量減軽を施す」って順番ではないような気がするっていうか。法定刑の加重減軽と刑の選択って実際にはまとめて一緒くたにやってそうな気がするっていうか。
上記記事の判決なら例えば「罪状は無期懲役に相当するものであるが、自首が成立し、また事件の全容解明にも積極的に貢献するなど反省が見られ更生の可能性もあるため、有期刑の上限である15年を選択した。」みたいな表現だったら、そこんところが何となーく曖昧なままやり過ごせそうな感じ。


FONルーター、先日のヒートシンク装着にも関わらず今日もやっぱり熱暴走したっぽい。上面はともかく、底面がやたら暑い。風通しは良いはずだけども。
かくなる上はファンで強制排気か。ファン取付は加工が大げさなのと音の問題から避けたかったんだけどなぁ。

*1:何故か勤労の「義務」ばかり知られてる、可哀想な規定。