室町風の生活を鎌倉化する。
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甲が乙の住居に侵入し乙,丙を殺害した事件で、検察官は2件の殺人の訴因で公訴提起した。この公訴提起は適法か。
↑住居侵入について公訴提起しないことによって、かすがい現象の発生を防ぐことができるが、そのように殊更に被告人に不利益な訴因を選択することは、公訴権の濫用とならないか。
しかし、そもそも住居侵入を行わない2件の殺人であれば両罪は併合罪になるのであって、かすがい現象は法が被告人の利益のために用意した制度ではなく法解釈の反射的な効果に過ぎないことに鑑みれば、かすがい現象を避けるように訴因を選択したからといって、公訴権の濫用とまでは評価できない。
したがって、上記のような訴訟提起も、検察官の裁量の範囲内と言うべきである。
みたいな。


無償貸与が違憲で無償贈与が合憲ってのは…と、第一印象だけなら軽率にもそう考えるところだけども、政教分離は社会通念に照らしての事例判断だから、事例をしっかりと読まなきゃいけない。

国又は地方公共団体が国公有地を無償で宗教的施設の敷地としての用に供する行為は,一般的には,当該宗教的施設を設置する宗教団体等に対する便宜の供与として,憲法89条との抵触が問題となる行為であるといわなければならない。もっとも,国公有地が無償で宗教的施設の敷地としての用に供されているといっても,当該施設の性格や来歴,無償提供に至る経緯,利用の態様等には様々なものがあり得ることが容易に想定されるところである。……我が国においては,明治初期以来,一定の社寺領を国等に上知(上地)させ,官有地に編入し,又は寄附により受け入れるなどの施策が広く採られたこともあって,国公有地が無償で社寺等の敷地として供される事例が多数生じた。このような事例については,戦後,国有地につき「社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律」…が公布され,公有地についても同法と同様に譲与等の処分をすべきものとする内務文部次官通牒が発出された上,これらによる譲与の申請期間が経過した後も,譲与,売払い,貸付け等の措置が講じられてきたが,それにもかかわらず,現在に至っても,なおそのような措置を講ずることができないまま社寺等の敷地となっている国公有地が相当数残存していることがうかがわれるところである。これらの事情のいかんは,当該利用提供行為が,一般人の目から見て特定の宗教に対する援助等と評価されるか否かに影響するものと考えられるから,政教分離原則との関係を考えるに当たっても,重要な考慮要素とされるべきものといえよう。

最高裁大法廷 平成22.1.20 平成19(行ツ)260 財産管理を怠る事実の違法確認請求事件

事案はどちらも、もともと祠のある私有地が砂川町(当時)に寄付されたっていう事情があって、砂川町・砂川市がその土地を地域にタダで貸していた。
もっとも、もともと私有地だったとかの事情を勘案しても、バリバリの宗教行事がバリバリ行われてることから、これらの土地を無償貸与するのは、やっぱり政教分離に反する。
で、貸与しっぱなしの方は、だから違憲
無償譲与の方は、その違憲状態を是正するための措置。もともと私有地をタダで寄贈されたものだから、タダで払い下げるのも、認められないでもない。「社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律」の趣旨にも適う。

本件譲与は,市が,監査委員の指摘を考慮し,上記のような憲法89条及び20条1項後段の趣旨に適合しないおそれのある状態を是正解消するために行ったものである。
確かに,本件譲与は,本件各土地の財産的価値にのみ着目すれば,本件町内会に一方的に利益を提供するという側面を有しており,ひいては,上記地域住民の集団に対しても神社敷地の無償使用の継続を可能にするという便益を及ぼすとの評価はあり得るところである。しかしながら,本件各土地は,昭和10年に教員住宅の敷地として寄附される前は,本件町内会の前身であるT各部落会が実質的に所有していたのであるから,同50年に教員住宅の敷地としての用途が廃止された以上,これを本件町内会に譲与することは,公用の廃止された普通財産を寄附者の包括承継人に譲与することを認める市の「財産の交換,譲与,無償貸付等に関する条例」…3条の趣旨にも適合するものである。また,仮に市が本件神社との関係を解消するために本件神社施設を撤去させることを図るとすれば,本件各土地の寄附後も上記地域住民の集団によって守り伝えられてきた宗教的活動を著しく困難なものにし,その信教の自由に重大な不利益を及ぼすことになる。同様の問題に関し,「社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律」…は,同法施行前に寄附等により国有となった財産で,その社寺等の宗教活動を行うのに必要なものは,所定の手続を経てその社寺等に譲与することを認めたが,それは,政教分離原則を定める憲法の下で,社寺等の財産権及び信教の自由を尊重しつつ国と宗教との結び付きを是正解消するためには,上記のような財産につき譲与の措置を講ずることが最も適当と考えられたことによるものと解される。公有地についてもこれと同様に譲与等の処分をすべきものとする内務文部次官通牒が発出された上,譲与の申請期間が経過した後も,譲与,売払い,貸付け等の措置が講じられてきたことは,当裁判所に顕著である。本件譲与は,上記のような理念にも沿うものであって,市と本件神社とのかかわり合いを是正解消する手段として相当性を欠くということもできない(このような土地を地縁団体の認可を受けた町内会に譲与することが地方自治法260条の2の趣旨に反するものでないことはいうまでもない。)。

最高裁大法廷 平成22.1.20 平成19(行ツ)334 財産管理を怠る事実の違法確認請求事件

という感じだろうか。大雑把すぎる?