昨日は映画『ゼロの焦点』の試写会に行ってきた。
隣の団塊なおばちゃんが上映中に喋るし携帯鳴らすし、挙句、電源切ることはおろかマナーモードにすらしなかったから何度もなって、その度に「あらやだねぇ」と喋るという凶悪コンボだった。
きっと悪いのは使いづらい携帯電話だ!(モンスター顧客)
で、映画の方は、面白かったですよ、普通に。
広末の喋り方が苛つくのは相変わらず。まぁ、米アカデミー賞の審査に日本語の発音は影響しないだろうしー。
人物造形が良い。選挙とか学歴とか、そういう人物造形に厚みがあって、なるほどこれは良い話だ。松本清張、っていうかミステリーを全然読まない人なので、誤解してたんですけど、「ミステリー」って、「謎」を楽しむわけじゃないんですねぇ。


で、これを見て、民草が詐欺事件に熱中する理由がわかった。
ミステリーという娯楽を、現実の事件を素材に、さも社会問題を考えるかのような高尚ぶった顔をして楽しめるからなんだ。


詐欺事件と言えば、今日の朝日新聞天声人語が秀逸だった。

隣の鳥取県では、詐欺容疑で捕まった女(35)の周辺で、何人もの男性が不可解な死を遂げていた。
(略)
いつの日か、これらの事件が裁判員を交えて裁かれる運びになれば、被害者の数だけが焦点ではなかろう。手口がむごいほど、あくどく逃げ回るほど、市民の心証は厳しくなる。この点、どの犯人も覚悟したほうがいい。
朝日新聞2009-11-10天声人語

私の記憶が確かならば、詐欺事件は裁判員事件では無いはず。
つまり、この天声人語は「詐欺」の「容疑者」が“殺人”の「犯人」であることを前提に書かれているわけだ。
もちろん朝日に限らず、ワイドショーでもどこでも、「不審死」と言いながら殺人事件であることを臭わせている。いや、むしろ未だ公然と「殺人事件だ」と言えない*1からこそ、「殺人」とおおっぴらに言える大円団を待ち焦がれて熱狂しているのだろう。
マスコミが自らを公器たるべきと考えるなら、憶測で面白おかしく人を犯人視報道するのは相応しくない。


ちなみにこの日記は公器でも何でもないので、憶測を書いてもだいじょーぶ(はぁと)


ところで今日見た答案例、大要、X社の代表取締役YがX社と競合するA社の代表取締役に就任して取引をしたような問題で、大要「Yは取締役として報酬をもらうから『自己…のために』といえる」って書いてあったけど、むしろ「YはA社の代取としてA社のカネで取引してるから『第三者のために』といえる」ではなかろうか。
報酬をもらっていることを「ために」(=計算で)の根拠にしてしまうと、米国でたまに見られるような無償CEOとか1ドルCEOとかが責任を負わなかったり推定される損害額が0円とか1ドルになってしまう。
パン屋の判例も、パン屋のためにって認定だったし。

*1:言うとBPOに怒られる。現状も十分怒られるべきだと思うけど。