S●写真第2弾 --黒光りするそれを見た私は…

電車で後から乗ってきた女子高生にあからさまに隣席を避けられた今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
荷物だけ置いて立ってるって、そらあなた、おじさんショックですよorz


というわけで、18きっぷが1回残ってたので、炭坑の町から岩洞の町へでお馴染み(違)、破綻の先駆け・未来都市夕張市へ行ってきました。
特に目的の無い旅だったので、今回のお目当ては昨日今日運行した「SL夕張応援号」。
というわけで、写真↓

空が完全にとんじゃってるのはご愛嬌。
使用機材は Nikon COOLPIX 3200、ホワイトバランス曇天、露出補正+0.3です。
撮影は北緯43.02.58.81、東経141.57.59.50。JR夕張駅のすぐ側です。
写らないように撮りましたが、現場にはカメコがたくさんいました。最近は若い人も良いカメラ持っとるのう。
「迫力のあるSL写真」は一昨年に上野尻で撮ってるので、今回はすっきり系を目指して本当はあと0.5秒くらい早い場所にSLが来るイメージだったんだけど、まぁこれはこれで。
連写機能のあるカメラが欲しいなぁ。いや、それよりももっと色が綺麗に撮れるデジカメが欲しい。
夏休みに兄から借りた一眼レフは凄かった。


この日記はリンク元が判ることになってるんだけど、先日「法科大学院生」で検索してきたというデータがあって、見るとどうやら前のS●写真の時のに来たらしい。

  1. 何らかの理由で「法科大学院生」で検索する。
  2. 現役法科大学院生の撮り下ろしS●写真という検索結果が気になってクリック。
  3. ひとしきりガッカリしてからチャックを上げる。

という流れを想像して、胸がキューンとなった。これって恋かな?

あと夕張の感想

トンボがやたら多いというのが第一印象。
そして駅前に随分と立派なホテルがあり、もっと田舎を想像してたけど「市」だけあって都会だなぁ、と一瞬思い、その後すぐに思い直す。
そうだ、ここはそうやって破綻した町だ。


駅にはいきなり 金はないけど 愛はある  夕張夫妻 というポスター。えげつねぇぞ夕張。
そして駅から降りるも何をしたら良いか判らない。
もともと何も当ての無い旅ではあったのだけど、駅に行けば観光案内があるだろうと思ってた私が悪かった。
観光スポットの案内は前述のホテルの中にあったんだけど、その件は後述。
SLが来るのに合わせて駅前でちょっとしたフェアみたいなのをやってる。
食べ物屋の出店と、ろくな物の無い夕張土産の出店。本当にちょっとした。なぜかガンプラが売ってた。
あと少し奥で、無料の「わんわんショー」と、同じく無料で、ピカチュウの形をした、子供が中に入って遊ぶ風船みたいなやつ。裏に回り込むと子供が乗って走る機関車トーマス、デパートの屋上にある奴を更に小さくしたような物。裏にあるせいで人がいないけど。
とりあえず昼食は出店で豚丼400円。味は良かった。
そんで時間が微妙なのでホテルの中に入ったらゲームコーナーがあって、UFOキャッチャーでやわらか戦車が見るからに獲り易い状態になってたので、挑戦。3回目でGet。2回で行けたな…。とかいいつつUFOキャッチャーで景品を撮れたの初めてだけど。
で、SLを撮影し、ホテルの中で手に入れた案内に即して、一抹の不安に駆られつつメイン観光地へ歩き出す。


駅から山の方に進むと、石炭博物館や炭坑生活館や北の零年」希望の杜(個人的に一番心惹かれた)などがあるゾーンがある。
ホテルで手に入れたパンフによれば「ぐるっとパス」を買えば、13施設を一日何回でも見学でき、シャトルバスにも乗れるということだが、おとな3150円と高価なのでパス。…べっ、べつにシャレじゃないんだからね!
で、かつては病院だったらしい(パンフにも「病院」と書いてある)診療所を超えてさらに進むと、ついに夕張観光の目玉「石炭の歴史村」の前に到着。
駐車場の管理人に呼び止められる。
曰く、去年からシステムが変わり、個別の施設ごとに入場料を払うことは出来ない、全部まとめて3150円払うべし。
…無茶言うな。帰りの電車まで1時間しかないっつーの。つーか金無ぇっつーの。
というわけで、2kmの道のりを引き返しましたとさ。くそっ、なんて時代だ。


ただ引き返すのではつまらないので、寄り道をする。
往路で、斜面の急な山の腹に鳥居が見えたので、ちょいと行ってみたら、危ないからとのことで通行止めになってた。
この神社はどうやら炭坑作業で亡くなった方を供養するための物らしい。
さらに歩くと、この死んだような町には明らかにオーバースペックな市民センターや市役所や公園がある。
立派な福利厚生施設があっても人が町にくるわけじゃないんだな。難しい。


上述の「石炭の歴史村」も、町の規模に対して明らかにオーバースペックで、事実、この箱物が破綻の原因となったわけだけども、そうだとして市の職員には何が出来ただろうか。
かつて町を支えた産業(石炭)が滅びた以上、新たな産業を興さない限り、町はじり貧になるだけだ。
そこで、映画の撮影地であったり全国的にも珍しい炭坑の遺構があったりという資産を生かして、観光産業をもり立てようと考える、この発想が責められるだろうか。
札幌・千歳・苫小牧といった都市からそう遠くはないものの、交通の便があまり良いとは言えないこの町に足を運ばせようとするならば、ありきたりな規模では難しいだろう。その発想が間違ってるだろうか。間違いだとしても、自分ならこの間違いを犯さないと、自信を持って言えるだろうか。
オーバースペックに見えるのは、財政破綻して動けない人意外の人々が流出した現在の夕張を基準に考えるからであって、日本有数の炭坑の町として潤った往年の夕張を基準にしたら、あるいは成功した観光都市を基準にしたら、どうだったろうか。


民間企業なら、夕張と同じような、失敗すれば破綻するようなリスクはしばしば侵している。
成功すればプロジェクトX、失敗した企業は市場からはじき出され、せいぜい会社が潰れて社長一家が心中する程度の話だ。
市場には成功したプロジェクトばかりが並ぶから、消費者としての我々は、ともすれば市場で失敗するのは珍しいかのような錯覚に陥る(現実には勝者の方が少ないはずだ)。
しかし自治体の失敗は、市の職員が全員自殺しても終らない。失敗した自治体も地域として在り続ける。
だから、民間の失敗と違って、失敗は忘れ去られない。
そして、企業については成功した企業しか知らないが故に、あるいは企業の責任は自治体ほどには重くないが故に、我々は記憶に残る失敗の多い公務員を無能と詰る。


自治体は地域を抱えているから失敗できない。
だから、自治体はリスクを冒すべきではない。
夕張市の過ちは、チャレンジに失敗したことではなく、チャレンジしたことだろう。
そして失敗が出来ないから、成功した先例に従い、新しいものに対しては慎重になる。
自治体が企業並のスピード感を持たないことに腹を立てる人は、自治体と企業の違いを心得ているだろうか?


まぁそれはいいんだけど。
帰りしなにお土産を買おうと思ってたけど、売ってやがらねぇ。
出店は4時にたたんでた。SL記念の出店だから、普段は何も無いんだろうな。
とにかく、観光客に金を落とさせようとする努力が全く見られない。
結局、私が夕張で落とした金は、豚丼400円とUFOキャッチャー300円とコカコーラ108円。
せっかくカメコがいっぱい来たのに、SLグッズがあるわけでもなし、交番に黄色いハンカチを垂らしたところで観光客は金を払わないわけで。
先述の出店で売ってるものすら、「頑張れ夕張」キーホルダーとかで、哀れみを買おうとする商品はあれど、ポジティブに訴求するものが無い。
ちゅうか夕張メロンを使ったお菓子が駅で買えないってどうなのよ。悔しいから結局札幌駅で買っちゃったよ。
もちろん金を落とさせようにも、店を営業するには金がかかるわけで、そんな予算も無いんだろうけど、SLという「人が集まる企画」がありながら、集まった人から金をふんだくらないのはなんだかなぁ。
「なぜリスクを冒さない」
……ごめんね、最後に自己矛盾させるの好きなんだ。


駅前にスキー場があったり、高校の校舎を改装したホテルがあったりするので、冬に泊まりがけで遊びに来ても面白いかも。
あとベガルタ勝利ですわ。